2024年度 年末年始における情報セキュリティ対策の重要性
年末年始の長期休暇を前に、情報セキュリティ対策の重要性が一層高まっています。長期休暇は、多くの企業や個人が日常業務から離れる時期であり、攻撃者にとって侵入・潜伏・活動を進行する絶好の機会となります。そのため、事前に万全なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。
IPAによる注意喚起とネットワーク貫通型攻撃の脅威
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は、年末年始の休暇に向けた注意喚起を公開しています。その中で特に注目すべきは、ネットワーク貫通型攻撃の脅威です。この攻撃は、ネットワークとインターネットの境界に設置されている機器の脆弱性を狙うもので、ファイアウォールやIDS/IPSなどのセキュリティ機器の隙間を突いて侵入します。一度侵入されると、追跡や排除が非常に困難になるため、早期の対応が重要です。
IPAの報告によれば、特に以下の脆弱性が狙われやすいとされています。
- Adobe ColdFusionの脆弱性(CVE-2023-29300)
- PHPの脆弱性(CVE-2024-4577)
これらの脆弱性は、長期休暇中に攻撃者が悪用する可能性が高いため、システム管理者は早急に対策を取る必要があります。
長期休暇前に実施すべきセキュリティチェック
長期休暇を迎える前に、以下のセキュリティ対策を徹底しましょう。
- ソフトウェアとファームウェアの更新
すべてのシステムが最新の状態であることを確認してください。特に、脆弱性が報告されている製品については、公式のセキュリティアップデートを適用してください。 - アクセス制御の見直し
休暇期間中に必要のないアクセス権限を整理して、侵入のリスクを低減できます。 - 監視体制の強化
IDS/IPSやログ監視ツールを活用し、不審な動きを早期に検知できる体制を整えましょう。また、アラートが適切に発生し、関係者に通知される設定を確認してください。 - バックアップの確認
万が一の侵入やデータ破壊に備え、重要なデータのバックアップを取得し、安全な場所に保管してください。 - 従業員への注意喚起
年末年始はフィッシングメールが増加する時期です。不審なメールや添付ファイル、リンクへの注意を徹底し、不明なものは開かず、必ずシステム管理者に報告するよう指導してください。また、休暇明けに大量のメールを処理する際も焦らず慎重に確認する習慣を促しましょう。
休暇中も油断せずに
昨年と比べ、今年はネットワーク貫通型攻撃や特定の脆弱性(CVE-2023-29300、CVE-2024-4577)を狙った攻撃が増加し、フィッシングメールの手口も高度化しています。また、リモートワーク端末のセキュリティリスクがさらに重要視されるようになっています。
これらの新しい脅威に対応するために、脆弱性への対応や従業員への注意喚起などの適切なセキュリティ対策を実施し、年末年始を安心して迎える準備を進めてください。
詳細なセキュリティ対策については、IPAの公式サイトに記載されています。ぜひ以下のURLを参考にして、万全な体制を整えてください。
IPA公式サイト:年末年始の情報セキュリティに関する注意喚起
この年末年始も安心して過ごせるよう、事前のセキュリティ対策にしっかりと取り組みましょう。