2022年の営業秘密侵害事件は29件、過去最多に

事件発覚件数の増加とその背景

2023年3月23日、警察庁のまとめにより、企業の保有する営業秘密を不正に持ち出す事件が去年一年間で29件にのぼり、統計をとり始めた13年以降で過去最多となったことが明らかになりました。この数字は前年に比べても6件増加しており、情報漏洩の問題は依然として深刻であると言えます。※1

こうした事件の発覚が増えた背景には、企業側の営業秘密に関する管理意識が高まり不正に気が付きやすくなったことや、転職などが増え人材の流動化が加速したことが挙げられます。※2 また29件の中には、産業スパイが関与しているケースもありました。企業の保有するノウハウや機密情報が外部に漏れることは、業界や国家にとって大きな損失をもたらす可能性があります。警察当局は経済安全保障政策として、企業や研究機関に手口や対策を助言する「アウトリーチ活動」を強化しています。このような脅威に対しても、企業は十分な警戒が必要です。

ファイル暗号化による対策

こうした脅威に対して有効な対策の一つとしてファイルの暗号化が挙げられます。ファイルを暗号化することで、転職時の持ち出しなども含む内部不正による情報漏えいを防ぐことができます。また、暗号化されたファイルであれば、外部に漏れたとしても、第三者がファイルの中身を読み取ることができず、情報漏えいを防ぐことができます。そのため、情報漏えいのリスクを減らすためには、企業がファイルの暗号化を導入することが重要です。

転職時の持ち出し対策には、ファイルの暗号化が有効です。ただし、単純なパスワードによる暗号化は安全性に問題があることがあります。実際、昨年大きな話題となったかっぱ寿司の元社長による持ち出し事件では、データにパスワードがかけられていましたが、パスワードを知る元同僚に依頼して教えてもらっていたと見られています。※3 なお、かっぱ寿司の事件は今回報告された29件の中に含まれています。このような問題を解決するためにはパスワードに頼らないファイル暗号化をすることが必要です。

DataClasysはパスワードに頼らない強固な暗号化を実現するシステム

DataClasysはIRM技術を使用したファイル暗号化ソリューションであり、パスワードに頼らずにファイルを安全に暗号化することができます。ファイルを開くには、IDファイルとPCへのクライアントソフトのインストールが必要であり、これらがない場合、ファイルは一切開けられません。さらに、IDファイルは端末に紐づけられるため、内通者がIDファイルを送ったとしても、それを開くことはできません。これにより、DataClasysであれば、強固な暗号化が実現でき、企業の重要な情報や営業秘密の漏洩を防ぐことができます。

参考

※1 営業秘密侵害事件、22年は最多29件摘発 警察庁まとめ | 日本経済新聞 2023年3月23日

※2 転職市場の広がりが背景に 会社の営業秘密不正持ち出し事件の摘発件数が過去最多 産業スパイの暗躍も | TBS NEWS DIG 2023年3月23日

※3 はま寿司データ、カッパ社内で共有 パスワードを聞き出し、メールで営業秘密を送信 | ITmedia NEWS 2022年10月3日