「かっぱ寿司」の営業秘密侵害 営業秘密の3大要件

大手の回転寿司チェーン店「かっぱ寿司」を経営する「カッパ・クリエイト」の田辺公乙社長が同業他社の「はま寿司」の売り上げデータなどを不正に入手したとして、2021年7月5日に不正競争防止法違反の疑いで告訴されました。(参考:かっぱ寿司運営会社捜査、営業秘密侵害で3要件焦点: 日本経済新聞

流出した売り上げデータが不正競争防止法で定められている営業秘密に当たるかがこの事件のポイントになっています。この営業秘密には以下の3つの要件があり、それらを全て満たす必要があります。

  • 秘密管理性/秘密として管理されていること
  • 非公知性/生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること
  • 有用性/公然と知られていないもの

「秘密管理性」は3つの要件の中で最も問題になりやすく、この要件が満たされずに営業秘密として認められないケースが多々あります。
「秘密管理性」を満たすには、秘密として管理されていることが明確にされている必要があります。例えば、紙などの物理媒体に対しては、キャビネットや棚の施錠や「マル秘」の表示などの対策が挙げられます。またデジタルデータであれば、情報の暗号化やアクセス権の設定、パスワード保護などが挙げられます。

企業の機密情報として管理されているデジタルデータが「秘密管理性」を満たし営業秘密として認められるには、DRM/IRMによる情報漏洩対策が非常に効果的です。
DRM/IRMで保護されたファイルを利用するには、利用者が正規のユーザであることをシステムが認証する必要があります。その上で、利用者の役割に応じた権限制御を行います。この認証と役割に応じた権限制御によって、「秘密管理性」が満たされやすくなります。

2010年代前半に比べて、ここ数年間は退職者や元関係者などによる営業秘密の漏洩が多発しています。関係者による情報漏洩は対策が難しい一方で、発生時は非常に大きい被害や影響を受けます。
本コラムで紹介した営業秘密の要件を定めている不正競争防止法などの法律は情報漏洩対策を実施する上でのガイドラインとなります。そして、もし情報漏洩の被害に遭った場合はその法律の恩恵を受けることができます。

法律に沿った情報漏洩対策を行うことは、機密情報を保護する上で大きな意味を持ちます。

組織の機密情報を保護する上で、法律の知識は非常に有効な場面があります。
機密情報などの漏洩対策にお困りの方や不安をお持ちの方は、一度ご相談ください。
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